糖尿病の食事について、
「野菜から食べると血糖値が上がりにくい」
「ご飯は最後に食べた方がいい」
「食べる順番を変えれば、好きなものを食べても大丈夫?」
と聞いたことがある方もいるかもしれません。
食べる順番を工夫することで、食後の血糖値の上がり方に影響することがあります。
しかし、食べる順番だけですべてが決まるわけではありません。
大切なのは、順番だけにこだわるのではなく、食べる量や食事全体の内容も一緒に考えることです。
なぜ「野菜から」といわれるの?
ご飯、パン、麺などに含まれる炭水化物は、消化・吸収されると血糖値の上昇につながります。
一方、野菜などに含まれる食物繊維を含む食品を先に食べることで、食後の血糖値の上がり方が緩やかになることがあります。
そのため、
「まず野菜などのおかずから食べ、その後に主食を食べる」
という方法が紹介されることがあります。
野菜を最初に食べれば何を食べてもいい?
ここは注意したいところです。
最初に野菜を食べたとしても、そのあとにご飯や麺、お菓子などをたくさん食べれば、血糖値への影響がなくなるわけではありません。
つまり、
「野菜を最初に食べたから、あとは何をどれだけ食べても大丈夫」
ということではありません。
食べる順番は、食事療法の一つの工夫として考えましょう。
「野菜だけ」をたくさん食べる必要もありません
「野菜から食べる」と聞くと、最初に大量の野菜を食べなければならないと思うかもしれません。
しかし、食事療法で大切なのは、特定の食品だけを極端に増やすことではありません。
主食、主菜、副菜など、食事全体のバランスを考えることが基本です。
野菜を食べること自体が目的になって、食事が苦痛になってしまう必要はありません。
おかずから食べるという考え方もあります
食べる順番を考えるとき、必ずしも「野菜だけを最初に全部食べる」と考える必要はありません。
野菜やきのこ、海藻などを使った副菜や、肉・魚・卵・大豆製品などを使った主菜を取り入れながら、主食だけを最初に急いで食べないようにする方法もあります。
大切なのは、ご飯だけ、麺だけ、といった食べ方にならないように食事全体を見ることです。
ゆっくり食べることも意識してみましょう
食べる順番だけでなく、食べる速さも振り返ってみましょう。
忙しいと、短時間で食事を済ませてしまうことがあります。
まずは、
「少しゆっくり食べてみる」
という工夫もできます。
よく噛みながら食事をすると、自分がどのくらい食べているのかも意識しやすくなります。
無理に「一口○回噛む」と決める必要はありません。
ご飯を最後まで残しておかなければいけない?
食べる順番を意識するあまり、
「ご飯は最後まで絶対に食べてはいけない」
と考える必要はありません。
食事は毎日のことです。
細かなルールを増やしすぎると、かえって続けることが難しくなります。
「最初から主食だけをたくさん食べないようにする」
くらいから始めてもよいでしょう。
食べる順番より「量」が重要なこともあります
食後血糖を考えるときには、食べる順番だけでなく、炭水化物を含む食品をどのくらい食べたかも重要です。
たとえば、野菜を先に食べても、その後に大盛りのご飯や麺を食べれば、食後血糖が高くなることがあります。
食べる順番に気をつけているのに血糖値やHbA1cが高い場合には、
「順番をもっと厳しくしなければ」
と考える前に、食事全体を振り返ってみましょう。
食べる順番にこだわりすぎなくて大丈夫
糖尿病の食事療法には、いろいろな工夫があります。
しかし、それらをすべて毎日完璧に行う必要はありません。
外食や旅行などでは、いつもと同じ順番で食べられないこともあります。
そんなときに、
「順番を間違えてしまった」
と心配しすぎる必要はありません。
食べる順番は、糖尿病治療のルールではなく、無理なく取り入れられる工夫の一つと考えてみましょう。
食べる順番について覚えておきたい3つのポイント
① 野菜などを先に食べることで、食後血糖の上がり方に影響することがあります
② 野菜を先に食べれば、あとは何をどれだけ食べてもよいわけではありません
③ 順番だけでなく、食べる量や食事全体を見ることが大切です
まとめ
「野菜から食べる」という方法は、糖尿病の食事療法で取り入れられる工夫の一つです。
しかし、
「この順番さえ守れば大丈夫」
という方法ではありません。
食べる順番を完璧に守ることより、
食事全体の量や内容を見ながら、自分が無理なく続けられる方法を見つけること
の方が大切です。
まずは、
「主食だけを最初に急いで食べていないかな?」
と少し意識するところから始めてみましょう。
糖尿病の食事療法は、細かなルールを増やすためのものではありません。
自分の生活の中で続けられる工夫を、一つずつ見つけていきましょう。
