血糖値が高いときに運動してもいい?運動を控えた方がよい場合とは

血糖値を測って高かったとき、

「歩いて血糖値を下げた方がいい?」
「運動すればすぐに下がる?」
「血糖値が高くても運動して大丈夫?」

と迷うことがあるかもしれません。

運動は糖尿病治療の大切な一つですが、血糖値が高いときに、いつでも運動すればよいというわけではありません。

特に、血糖値がいつもよりかなり高く、体調も悪いときには注意が必要です。

大切なのは、

「高い血糖値を運動で無理に下げようとしないこと」

です。

運動すると血糖値は下がるの?

体を動かすと、筋肉がブドウ糖を利用します。

そのため、ウォーキングなどの運動によって血糖値が下がることがあります。

また、運動を続けることは、インスリンが働きやすい状態をつくることにもつながります。

しかし、

「血糖値が高い → 運動する → 必ず下がる」

という単純な関係ではありません。

血糖値が高くなっている原因や体の状態によっては、運動を控えた方がよい場合もあります。

血糖値が高い原因を考えてみましょう

血糖値が高くなる原因は、食事だけではありません。

たとえば、

・いつもより食事量が多かった
・甘い飲み物を飲んだ
・運動量が少なかった
・薬やインスリンを忘れた
・発熱や感染症がある
・強いストレスがかかっている
・体調を崩している

など、さまざまな原因があります。

一度だけ血糖値が高かった場合と、体調不良を伴って高い状態が続いている場合では、対応も異なります。

「高かったから今すぐ歩こう」と考えなくても大丈夫

血糖値が高い数字を見ると、

「何とかして下げなければ」

と不安になるかもしれません。

しかし、血糖値は患者さんを採点するための数字ではありません。

高かったからといって、その数字への“罰”として急に長時間歩いたり、激しい運動をしたりする必要はありません。

まずは、

「いつもと比べてどうなのか」
「体調は悪くないか」
「高い状態が続いていないか」

を確認しましょう。

血糖値が高く、体調も悪いときは運動を控えましょう

発熱や感染症などで体調を崩しているときには、食事をあまりとっていなくても血糖値が高くなることがあります。

また、インスリンが大きく不足すると、体内に「ケトン体」という物質が増え、糖尿病性ケトアシドーシスという危険な状態になることがあります。

このような状態で無理に運動することは適切ではありません。

特に、

・吐き気や嘔吐がある
・腹痛がある
・強いだるさがある
・呼吸の様子がいつもと違う
・脱水が疑われる
・意識や反応がおかしい

といった場合には、運動で血糖値を下げようとせず、医療機関への相談・受診を優先してください。

意識の異常など緊急性が疑われる場合には、速やかな救急対応が必要です。

ケトン体を測るよう指示されている方は

特に1型糖尿病などで、自宅でケトン体を確認するよう主治医から指示されている方もいます。

その場合は、血糖値が高いときや体調を崩したときに、あらかじめ説明を受けた方法に従ってケトン体を確認してください。

ケトン体が陽性・高値の場合には、自己判断で運動して血糖値を下げようとせず、主治医から受けている指示に従いましょう。

「血糖値が○○以上なら絶対に運動禁止」と覚えるだけでよい?

血糖値の数字だけで、すべての状況を判断することはできません。

糖尿病の種類、治療内容、ケトン体の有無、体調などによっても対応は変わります。

そのため、一般向けの情報として、

「この数字を超えたら全員運動禁止」

と一律に考えるより、

血糖値が普段より著しく高いときには、体調やケトン体なども含めて判断する

ことが大切です。

自分の場合にどの程度の血糖値で運動を控えるべきかは、主治医とあらかじめ相談しておくと安心です。

血糖値が高い状態が続くなら、運動だけで解決しようとしない

毎日運動しているのに血糖値が高い状態が続く場合、

「もっと歩かなければ」

と思うかもしれません。

しかし、食事や運動に気をつけていても、糖尿病の状態が変化して、治療の見直しが必要になることがあります。

また、感染症など別の原因が隠れていることもあります。

運動量を増やすことだけが解決方法ではありません。

血糖値がいつもより高い状態が続く場合には、主治医に相談しましょう。

薬やインスリンを自己判断で変更しない

血糖値が高いと、

「薬を多く飲もう」
「インスリンをいつもより多く打とう」

と考えてしまうことがあります。

しかし、薬やインスリンを自己判断で大きく変更すると、低血糖などにつながる可能性があります。

追加のインスリンなどについて主治医から具体的な指示を受けている場合には、その指示に従ってください。

それ以外の場合には、自己判断で大きく変更せず、必要に応じて医療機関へ相談しましょう。

血糖値が高いときに覚えておきたい3つのポイント

① 血糖値が高いからといって、必ず運動すればよいわけではありません

② 血糖値が著しく高く、体調不良やケトン体の増加が疑われる場合には、運動を控えることが大切です

③ 高い血糖値を運動だけで無理に下げようとせず、続く場合には主治医に相談しましょう

まとめ

運動は糖尿病治療にとても大切です。

しかし、

「血糖値が高いから、とにかく運動して下げる」

という考え方はおすすめできません。

血糖値が高かったときには、まず、

普段と比べてどのくらい高いのか
体調は悪くないか
高い状態が続いていないか

を確認してみましょう。

特に体調不良を伴う著しい高血糖では、運動よりも適切な対応や医療機関への相談が優先されます。

運動は、血糖値を急いで下げるための“薬”ではありません。

安全を第一に、普段の生活の中で無理なく続けていきましょう。