食後10分歩くだけでも意味がある?糖尿病と食後の運動

糖尿病の運動について、

「食後に歩くと血糖値が上がりにくい?」
「30分くらい歩かないと意味がない?」
「食後すぐに運動しても大丈夫?」

と疑問に思う方もいるでしょう。

食事をすると血糖値は上昇します。

そのため、食後に体を動かすことは、食後血糖の上昇を抑えるための方法の一つです。

しかし、毎食後に長時間運動しなければならないわけではありません。

まずは、

「食後に少し体を動かしてみる」

というところから始めてみましょう。

なぜ食後の運動が血糖値に影響するの?

食事に含まれる炭水化物が消化・吸収されると、血糖値が上昇します。

一方、体を動かすと筋肉がブドウ糖を利用します。

そのため、食後にウォーキングなどの運動をすると、食後の血糖値の上がり方を抑えることにつながります。

「運動するなら朝でなければならない」「夜でなければならない」ということではありません。

自分の生活の中で、取り入れやすい時間を考えてみましょう。

10分くらいでも意味はある?

「運動は30分以上続けないと意味がない」

と思っている方もいるかもしれません。

しかし、運動は長時間まとめて行うことだけが方法ではありません。

たとえば、

食後に10分程度歩く

という方法も、日常生活に取り入れやすい運動の一つです。

特に、これまでほとんど運動していなかった方にとっては、最初から30分、1時間と目標を決めるよりも、短い時間から始める方が続けやすいでしょう。

10分が難しければ、さらに短い時間から始めても構いません。

毎食後に歩かないといけない?

「食後の運動がよいなら、朝・昼・夕の3回すべて歩かなければ」

と考える必要はありません。

仕事や家事などで、毎食後に運動するのが難しい方もいます。

まずは、

「夕食後なら少し歩けそう」
「昼休みなら少し歩ける」

など、自分の生活の中で取り入れやすいところを探してみましょう。

1回でも始められれば、それが第一歩です。

食後すぐに歩かなければいけない?

食後の血糖値は、食事内容や治療などによって変化します。

そのため、すべての人に対して、

「食後○分に運動するのが一番よい」

と一律に決める必要はありません。

食後の運動を取り入れる場合には、食事のあとに無理なく動ける時間を利用するとよいでしょう。

お腹がいっぱいで苦しいときや体調がよくないときに、無理に運動する必要はありません。

続けやすさを優先して、自分の生活に合った時間を見つけましょう。

ウォーキングでなくてもいい?

食後の運動というと、外を歩かなければならないと思うかもしれません。

しかし、雨の日や暑い日、寒い日など、外を歩きにくい日もあります。

そんなときには、

・家の中を歩く
・家事をする
・立って体を動かす
・無理のない範囲で軽い運動をする

などでも構いません。

「ウォーキングができないから今日は何もしない」ではなく、できる範囲で体を動かすという考え方も大切です。

食後は座りっぱなしになっていませんか?

食事が終わると、そのままテレビを見たり、ソファに座ったりすることもあるでしょう。

もちろん、食後に休むことが悪いわけではありません。

ただ、長時間座ったまま過ごすことが多い方では、

「食後に少し立って動いてみる」

ことから始める方法もあります。

「運動」という言葉を難しく考えず、まず座っている時間を少し減らすことを意識してみましょう。

食後の血糖値が高いから激しく運動する?

食後の血糖値を測って高かったとき、

「すぐにたくさん運動して下げなければ」

と思うかもしれません。

しかし、高い血糖値を見て、自己判断で急に激しい運動をすることはおすすめできません。

血糖値が非常に高い場合や体調が悪い場合などには、運動が適さないこともあります。

血糖値が高い状態が続く場合には、運動だけで何とかしようとせず、食事や治療内容も含めて主治医に相談しましょう。

低血糖にも注意しましょう

インスリンや低血糖を起こす可能性のある薬を使用している方では、運動によって血糖値が下がりすぎることがあります。

運動中や運動後に、

・冷や汗
・手のふるえ
・動悸
・強い空腹感
・ふらつき

などを感じた場合には、低血糖の可能性があります。

低血糖への対応について主治医から指示を受けている方は、その方法に従ってください。

運動することが多い方は、自分の治療では運動時にどのような注意が必要なのかを、あらかじめ主治医に確認しておくと安心です。

食後に歩けない日があっても大丈夫

「今日は雨だから歩かなかった」
「仕事が忙しくてできなかった」

という日もあります。

1日できなかったからといって、それまでの運動が無駄になるわけではありません。

次にできるときに、また始めればよいのです。

毎食後に完璧に続けることより、無理なく長く続けることを目指しましょう。

食後の運動で覚えておきたい3つのポイント

① 食後に体を動かすことは、食後血糖の上昇を抑える方法の一つです

② 長時間でなくても、まず10分程度のウォーキングなどから始められます

③ 毎食後に完璧に行うより、自分の生活の中で続けられる方法を見つけましょう

まとめ

糖尿病の運動療法というと、

「毎日30分以上歩かなければ」
「たくさん汗をかかなければ」

と考えてしまうかもしれません。

しかし、最初から大きな目標を立てる必要はありません。

たとえば、

「夕食後に10分だけ歩いてみる」

というところからでも始められます。

外を歩けない日には、家の中で少し体を動かすだけでもよいでしょう。

大切なのは、

「10分しかできなかった」ではなく、「10分できた」と考えること。

運動を特別なものにするのではなく、毎日の生活の中に少しずつ体を動かす時間を加えていきましょう。