糖尿病では筋トレも必要?ウォーキングだけではだめ?

糖尿病の運動というと、

「毎日歩けばいい?」
「筋トレもした方がいい?」
「年齢が高くなってから筋トレをしても意味がある?」

と疑問に思う方もいるでしょう。

ウォーキングなどの有酸素運動は、糖尿病の運動療法として大切です。

一方で、筋肉を保つための運動も大切です。

だからといって、重いダンベルを持ったり、スポーツジムで激しいトレーニングをしたりする必要はありません。

まずは、日常生活の中で無理なく筋肉を使うことから考えてみましょう。

なぜ糖尿病で筋肉が大切なの?

筋肉は、体を動かすためだけのものではありません。

体の中でブドウ糖を利用する重要な場所でもあります。

また、年齢とともに筋肉量や筋力は低下しやすくなります。

筋力が低下すると、

・歩くのがつらくなる
・階段を上りにくくなる
・転びやすくなる
・外出する機会が減る

など、日常生活にも影響することがあります。

糖尿病の運動では、血糖値だけを見るのではなく、将来も自分の足で動ける体を保つことも大切です。

ウォーキングだけではだめ?

ウォーキングは取り組みやすく、とてもよい運動です。

「ウォーキングだけでは意味がない」ということではありません。

ただし、ウォーキングと筋肉に負荷をかける運動では、それぞれ異なる特徴があります。

そのため、無理のない範囲で、

歩く運動 + 筋力を保つ運動

を組み合わせることも考えてみましょう。

すべてを同じ日に行う必要はありません。

筋トレ=重いものを持つこと、ではありません

「筋トレ」と聞くと、重いバーベルやダンベルを持ち上げる姿を想像するかもしれません。

しかし、筋力を保つ運動にはいろいろな方法があります。

たとえば、

・椅子から立ち上がる
・ゆっくり座る
・かかとを上げ下げする
・無理のない範囲で脚を動かす

といった動きでも筋肉を使います。

普段ほとんど運動していない方なら、まずは日常生活に近い動作から始めるのもよい方法です。

椅子からの立ち座りから始めてもいい

特別な道具がなくてもできる運動の一つが、椅子からの立ち座りです。

安定した椅子を使い、転倒しないよう周囲の安全を確認したうえで、無理のない範囲で立ったり座ったりします。

最初から回数を多くする必要はありません。

「少しやってみよう」と思える範囲から始めましょう。

膝や腰に痛みがある方、立ち上がるときにふらつく方などは、無理に行わないでください。

「何回やらなければいけない」と考えすぎなくて大丈夫

運動について調べると、

「○回を○セット」
「週○回」

など、さまざまな数字が出てきます。

目安を知ることは役立ちますが、普段ほとんど運動していない方が、最初から数字をすべて達成する必要はありません。

まずは、

「今までより少し筋肉を使う機会を増やす」

ことから始めてもよいでしょう。

慣れてきたら、体調や体力に合わせて少しずつ増やしていきます。

筋肉痛になるまで頑張った方がいい?

「筋トレは筋肉痛になるくらいやらないと効果がない」

と思う方もいるかもしれません。

しかし、特に運動習慣がなかった方が急に頑張りすぎると、筋肉や関節を痛める原因になります。

糖尿病の運動療法は競技ではありません。

限界まで頑張ることより、安全に続けられることを優先しましょう。

年齢が高くても筋力を保つことは大切です

「もう高齢だから筋トレをしても意味がない」

と思う必要はありません。

むしろ年齢を重ねるほど、日常生活に必要な筋力をできるだけ保つことが重要になります。

ただし、若い人と同じ運動をする必要はありません。

年齢、体力、関節の状態、持病などに合わせて、その人に合った運動を選ぶことが大切です。

体重を減らすためだけの運動ではありません

糖尿病の方が運動を始めても、すぐには体重が減らないことがあります。

すると、

「運動しているのに体重が減らないから意味がない」

と思ってしまうかもしれません。

しかし、運動の目的は減量だけではありません。

筋力や体力を維持すること、体を動かしやすくすることなどにも意味があります。

体重計の数字だけで運動の価値を判断しないことも大切です。

運動前に相談した方がよい場合があります

筋力トレーニングを含め、運動の方法に注意が必要な方もいます。

心臓の病気、進行した糖尿病合併症、足の傷や潰瘍、強い関節痛などがある場合には、運動を始める前に主治医へ相談してください。

また、インスリンや低血糖を起こす可能性のある薬を使用している方では、運動による低血糖にも注意が必要です。

運動中に胸の痛み、強い息苦しさ、めまいなどが出た場合には、無理に続けないようにしましょう。

筋トレについて覚えておきたい3つのポイント

① 糖尿病の運動では、ウォーキングだけでなく筋力を保つことも大切です

② 筋トレは、重いダンベルを持つことだけではありません

③ 「きついほどよい」ではなく、自分の体力に合った運動を続けましょう

まとめ

糖尿病の運動療法では、ウォーキングなどの有酸素運動とともに、筋肉を保つことも大切です。

しかし、

「筋トレをしなければならない」

と難しく考える必要はありません。

まずは、

椅子から立つ、少し歩く、日常生活で体を動かす。

そんな身近なところから始められます。

大切なのは、昨日より少しでも体を動かすこと。

そして、できない日があっても、また始めることです。

将来も自分の足で生活するために、「頑張る筋トレ」ではなく「続けられる運動」を見つけていきましょう。