糖尿病ではどのくらい運動すればいい?無理なく続ける運動の始め方

糖尿病と診断されると、

「毎日運動しなければいけない?」
「1日1万歩歩かないと意味がない?」
「運動が苦手でも血糖値は改善できる?」

と心配になる方もいるかもしれません。

運動は、糖尿病治療の大切な一つです。

しかし、だからといって、最初から長時間の運動やきつい運動をする必要はありません。

大切なのは、

「どれだけ頑張ったか」より、「無理なく続けられるか」

です。

なぜ運動が糖尿病にいいの?

体を動かすと、筋肉がブドウ糖を利用します。

また、運動を続けることで、インスリンが働きやすくなり、血糖値の改善につながることがあります。

さらに、運動には血糖値だけでなく、

・体力の維持
・筋力の維持
・体重管理
・心臓や血管の健康
・気分転換

など、さまざまなメリットがあります。

糖尿病の運動は、血糖値を下げるためだけに行うものではありません。

将来も自分らしく生活するために、体力や筋力を保つという意味もあります。

最初から「1日1万歩」を目指さなくても大丈夫

「健康のためには1日1万歩」

という言葉を聞いたことがあるかもしれません。

しかし、普段あまり歩いていない方が、突然1万歩を目標にすると、続かなかったり、足や膝を痛めたりすることがあります。

たとえば、現在ほとんど運動していない方なら、

まず10分程度歩いてみる

というところから始めてもよいでしょう。

10分が難しければ、さらに短い時間からでも構いません。

今の自分にできるところから始めることが大切です。

まとまった時間がなくても運動はできます

「30分や1時間も運動する時間がない」

という方もいるでしょう。

しかし、運動は必ずしも長時間まとめて行わなければならないわけではありません。

たとえば、

・少し遠回りして歩く
・近い場所なら歩いて行く
・家の中で体を動かす
・買い物のときに少し多く歩く
・座っている時間を減らす

など、日常生活の中で体を動かす方法もあります。

「運動する時間を作れないから何もしない」ではなく、生活の中で少し動く機会を増やすという考え方でもよいのです。

食後に少し歩くのも一つの方法

食後には血糖値が上がります。

そのため、体調に問題がなければ、食後に軽く歩くことも運動を生活に取り入れる方法の一つです。

たとえば、

食後に10分ほど歩いてみる

という方法なら、特別な運動器具も必要ありません。

ただし、「食後は必ず歩かなければならない」というルールにする必要はありません。

天候や体調、生活に合わせて、できるときに取り入れてみましょう。

有酸素運動だけでなく筋力を保つことも大切

糖尿病の運動というと、ウォーキングなどの有酸素運動を思い浮かべる方が多いでしょう。

しかし、筋肉を保つことも大切です。

特に年齢とともに筋肉量や筋力は低下しやすくなります。

立ったり座ったりする動作など、日常生活の中でも筋肉を使うことはできます。

無理のない範囲で、歩く運動と筋力を保つ運動を組み合わせることを考えてみましょう。

運動は「きついほど効果がある」わけではありません

「せっかく運動するなら、汗をたくさんかくくらい頑張らないと意味がない」

と思う方もいるかもしれません。

しかし、運動は競争ではありません。

無理をして体を痛めたり、つらくなってやめてしまったりしては、長く続けることが難しくなります。

少し物足りないくらいから始めるのも一つの方法です。

慣れてきたら、体調を見ながら少しずつ増やしていきましょう。

毎日できなくても大丈夫

「昨日は歩けなかった」
「今週は忙しくて運動できなかった」

そんな日もあります。

1日できなかったからといって、それまでの運動が無駄になるわけではありません。

また次の日から始めればよいのです。

糖尿病治療では、

「毎日完璧に続ける」ことより、「やめてしまわず、また始められる」こと

の方が大切です。

運動するときに注意が必要な方もいます

糖尿病の状態や合併症、治療内容によっては、運動の方法に注意が必要な場合があります。

特に、

・インスリンや低血糖を起こす可能性のある薬を使用している
・心臓の病気がある
・足に傷や潰瘍がある
・糖尿病の合併症が進んでいる
・強い体調不良がある

といった場合には、運動を始める前に主治医へ相談してください。

胸の痛み、強い息苦しさ、めまいなど、いつもと違う症状が出た場合には、無理に運動を続けないようにしましょう。

運動について覚えておきたい3つのポイント

① 最初から長時間・高強度の運動をする必要はありません

② まとまった運動だけでなく、日常生活で体を動かすことも大切です

③ 「毎日完璧に」より、「無理なく続ける」ことを目指しましょう

まとめ

糖尿病の運動療法で大切なのは、

「何分運動しなければならない」
「何歩歩かなければならない」

という数字だけではありません。

今までほとんど運動していなかった方が、少し歩くようになることも大切な一歩です。

まずは、

「10分くらいなら歩けそう」

と思ったら、そこから始めてみましょう。

10分が難しければ、もっと短くても構いません。

そして、できなかった日があっても気にしすぎる必要はありません。

「頑張る運動」ではなく、「続けられる運動」を見つける。

それが、長く糖尿病と付き合っていくための運動療法の第一歩です。