運動が三日坊主になってしまう人へ|糖尿病の運動を無理なく続けるコツ

糖尿病の治療で、

「運動しましょう」

と言われたことがある方は多いと思います。

最初はやる気があって、

「今日から毎日30分歩こう」
「1日1万歩を目標にしよう」
「今度こそ運動を続けよう」

と決心します。

ところが、数日すると仕事が忙しくなったり、雨が降ったり、疲れていたりして運動できない日が出てきます。

そして、

「また三日坊主になってしまった」

と落ち込んでしまう。

そんな経験はないでしょうか。

でも、運動が続かなかったからといって、

「意志が弱い」

と考える必要はありません。

もしかすると、最初の目標が少し頑張りすぎだったのかもしれません。

糖尿病の運動で大切なのは、

最初から完璧に続けることではなく、無理なく生活の中に残していくことです。

最初から頑張りすぎない

運動を始めるときに多いのが、

「せっかくやるなら、しっかりやろう」

という考え方です。

もちろん、やる気があることはよいことです。

しかし、

毎日30分歩く。
毎日1万歩歩く。
週に何回も筋トレをする。

と、最初から大きな目標を立てると、それを続けること自体が負担になることがあります。

これまでほとんど運動していなかった方なら、最初はもっと小さな目標でも構いません。

「まず10分歩いてみる」

でもよいですし、それが難しければもっと短い時間でも構いません。

大切なのは、

「これならまたできそう」

と思えるところから始めることです。

「毎日やる」と決めなくてもいい

運動を習慣にするために、

「毎日必ずやる」

と決める方もいます。

しかし、私たちの生活は毎日同じではありません。

忙しい日もあります。

雨の日もあります。

体調がすぐれない日もあります。

そんな日に運動できなかったからといって、

それまでの運動が無駄になるわけではありません。

「毎日続けられなかったから失敗」

ではなく、

「できる日にまた始めればいい」

と考えてみましょう。

三日坊主でも、また始めればいい

3日運動して、そのあと1週間休んでしまった。

そんなとき、

「やっぱり自分には運動は続かない」

とやめてしまうのはもったいないことです。

1週間休んだとしても、また始めればよいのです。

さらに言えば、

3日運動して、休んで、また3日運動する。

それを繰り返しているうちに、少しずつ生活の中に運動が残ることがあります。

「一度も休まない人」だけが、運動を続けている人ではありません。

休んでも、また戻ってくる。

それも「続ける」ということです。

0か100かで考えない

運動が続かなくなる大きな原因の一つが、

「やるならきちんとやる。できなければやらない」

という考え方です。

たとえば、30分歩く予定だったのに10分しか時間がなかったとします。

「10分しかできないなら今日はやめよう」

と考える必要はありません。

10分歩けば、10分体を動かしたことになります。

5分でも同じです。

30分できなかったから0点ではありません。

「今日は少しだけできた」

と考えてみましょう。

運動のハードルを下げる

運動を続けるためには、効果だけではなく、

「始めやすさ」

も大切です。

スポーツジムに行かなければできない運動は、忙しい日に難しいことがあります。

一方で、

食後に少し歩く。
買い物で少し多く歩く。
テレビを見ながら体を動かす。
椅子から何回か立ち上がる。

といった方法なら、生活の中に取り入れやすいかもしれません。

運動を特別なイベントにしすぎないことも、続けるための工夫です。

「いつやるか」を生活と結びつける

「時間ができたら運動しよう」

と思っていると、なかなかその時間が来ないことがあります。

そこで、

「夕食後に少し歩く」
「買い物に行ったときに少し多く歩く」
「テレビを見ている途中で一度立つ」

など、普段の生活と組み合わせる方法があります。

運動だけの特別な時間を作るより、習慣にしやすい方もいます。

ただし、

「必ず食後に歩かなければならない」

というルールを作る必要はありません。

生活に合わせて、自分が続けやすい方法を探してみましょう。

好きな運動を選んでもいい

ウォーキングが苦手なのに、

「糖尿病だから歩かなければ」

と我慢して続ける必要はありません。

自転車が好きなら自転車。

泳ぐのが好きなら水泳。

筋力トレーニングが好きなら筋トレ。

体の状態に問題がなければ、いろいろな方法があります。

「医学的に一番よい運動は何だろう?」

と考えることも大切ですが、

「自分は何なら続けられるだろう?」

という視点も同じくらい大切です。

「楽しい」は立派な理由です

糖尿病になると、

食事も運動も、

「治療のためにやらなければならないこと」

になりがちです。

しかし、

景色を見ながら歩くのが好き。
自転車に乗るのが楽しい。
友人と一緒なら歩ける。
体を動かすと気分転換になる。

そんな理由で運動してもよいのです。

むしろ、

「またやりたい」と思える運動の方が、長く続く可能性があります。

運動は苦しいほど価値があるわけではありません。

数字を追いかけすぎない

歩数計やスマートフォンで、

「今日は何歩だった」

と確認することは、運動のきっかけになります。

一方で、

「目標は1万歩なのに7000歩しか歩けなかった」

と落ち込んでしまうこともあります。

歩数は便利な目安ですが、成績表ではありません。

自転車や筋力トレーニング、家事などは歩数に十分反映されないこともあります。

昨日より少し動いた。

今週は何回か外に出られた。

それも立派な変化です。

数字は自分を責めるためではなく、生活を知るために使いましょう。

HbA1cが下がらなくても運動をやめないで

運動を始めたのに、

「HbA1cが思ったほど下がらない」

ということもあります。

血糖値やHbA1cは、運動だけで決まるものではありません。

食事、薬、睡眠、体調、ストレス、糖尿病の状態など、さまざまな要因が関係しています。

また、運動には血糖管理だけではなく、

筋力を保つ。
体力を保つ。
心臓や血管の健康につなげる。
日常生活で動きやすい体を保つ。

といった意味もあります。

HbA1cだけで運動の価値を判断しないことも大切です。

できなかった日より、できた日に目を向ける

1週間のうち、

月曜日は歩いた。
火曜日はできなかった。
水曜日も忙しかった。
木曜日は10分歩いた。

という場合、

「4日間のうち2日しかできなかった」

と考えることもできます。

でも、

「2日は体を動かせた」

とも考えられます。

同じ結果でも、見方は違います。

糖尿病治療は長く続きます。

毎回できなかったことばかり数えていると、疲れてしまいます。

できたことも数えてみましょう。

休むことも大切です

発熱している。

強いだるさがある。

胸が痛い。

いつもと違う強い息苦しさがある。

ふらつきが強い。

足に傷がある。

そんなときまで、

「習慣を途切れさせてはいけない」

と運動する必要はありません。

体調が悪いときには、休むことも大切です。

持病や糖尿病の合併症がある方、インスリンや低血糖を起こす可能性のある薬を使用している方は、自分に合った運動方法について主治医に相談してください。

運動を続けるために覚えておきたい3つのポイント

① 最初から大きな目標を立てすぎない

② できない日があっても、また始めればいい

③ 「一番効果のある運動」より「自分が続けられる運動」を探してみる

まとめ

運動が三日坊主になったからといって、

「自分は意志が弱い」

と考える必要はありません。

もしかすると、

目標が高すぎたのかもしれません。

毎日やろうとしすぎたのかもしれません。

自分に合わない運動を選んでいたのかもしれません。

糖尿病の運動で大切なのは、完璧に続けることではありません。

5分しかできない日があってもいい。

休む日があってもいい。

しばらくやめてしまっても、また始めればいい。

「続ける」とは、一度も休まないことではありません。

やめてしまったあとに、また戻ってこられることも「続ける」の一部です。

糖尿病治療は短距離走ではありません。

だからこそ、

「頑張れる運動」ではなく「続けられる運動」を。

自分の生活に合った方法を、少しずつ見つけていきましょう。