糖尿病になったら食べてはいけないものはあるの?食事療法をわかりやすく解説

糖尿病と診断されると、

「もう甘いものは食べられないの?」

「ご飯やパンは食べてはいけない?」

「果物ならいくら食べても大丈夫?」

など、食事についていろいろ心配になることがあります。

糖尿病の食事療法というと、たくさんの「禁止」を思い浮かべる方もいるかもしれません。

しかし、糖尿病だからといって、すべての人に共通して「絶対に食べてはいけない食品」がたくさんあるわけではありません。

大切なのは、特定の食品だけを禁止することではなく、食べる量や頻度、食事全体のバランスを考えることです。

この記事では、糖尿病の食事で何を大切にすればよいのかを、できるだけシンプルに説明します。

糖尿病だから「甘いものは一生禁止」ではない

「糖尿病=甘いものは禁止」と考えている方は少なくありません。

確かに、お菓子や砂糖を多く含む食品をたくさん食べれば、血糖値が上がりやすくなります。

だからといって、

「糖尿病になったら甘いものを一生食べてはいけない」

と考える必要はありません。

大切なのは、量や頻度です。

毎日のようにたくさん食べているのであれば見直す必要がありますが、ときどき楽しむものまで一律に禁止すると、食事療法そのものが大きな負担になってしまうことがあります。

長く続けられる方法を考えることも、糖尿病治療の大切な部分です。

ご飯やパンは食べてはいけない?

ご飯、パン、麺類などに含まれる炭水化物は、食後の血糖値に大きく影響します。

そのため、

「糖質をできるだけ減らした方がいい」

「ご飯を食べなければHbA1cが下がるのでは?」

と思うかもしれません。

しかし、炭水化物を極端に減らせばよいという単純なものではありません。

食事は、血糖値だけではなく、必要なエネルギーや栄養をとるためのものでもあります。

年齢、体格、活動量、治療内容、ほかの病気などによって、適切な食事量は異なります。

そのため、

「糖尿病だから主食を食べてはいけない」

と一律に考える必要はありません。

「体によさそうな食品」でも量には注意

「お菓子は控えているから、果物なら大丈夫」

「ジュースではなく野菜ジュースだから大丈夫」

「砂糖ではなく、はちみつなら大丈夫」

と考えることがあります。

しかし、「健康によさそう」というイメージと、血糖値への影響は同じではありません。

果物や飲み物などにも糖質が含まれています。

大切なのは、

「体によい食品か、悪い食品か」と二つに分けるのではなく、どのくらい食べているかを見ることです。

飲み物は意外と見落としやすい

食事には気をつけていても、飲み物は見落としやすいところです。

ジュース、清涼飲料水、砂糖入りのコーヒーや紅茶などには、糖質が多く含まれていることがあります。

液体に含まれる糖質は摂取しやすいため、知らないうちに量が増えてしまうこともあります。

毎日飲んでいる場合には、まず飲み物を見直すだけでも食生活が大きく変わることがあります。

水や無糖のお茶など、糖質をほとんど含まない飲み物を上手に取り入れましょう。

「食べない」より「食べ方を考える」

糖尿病の食事療法では、

「これはダメ」

「あれもダメ」

と禁止する食品を増やすことに目が向きがちです。

しかし、それだけでは長く続かないことがあります。

たとえば、

・食べる量を少し見直す
・毎日食べているものを、ときどきにする
・甘い飲み物を無糖のものに変える
・間食の回数を見直す
・食事の時間が大きく乱れないようにする

など、できるところから変える方法があります。

すべてを一度に変える必要はありません。

「何を禁止するか」より、「何なら無理なく変えられるか」を考えることが大切です。

食事を減らしすぎることにも注意

血糖値やHbA1cが高いと、

「もっと食べる量を減らさなければ」

と思うことがあります。

しかし、必要以上に食事を減らすと、体重や筋肉が減ったり、必要な栄養が不足したりすることがあります。

特に高齢の方や、もともとやせている方では注意が必要です。

また、インスリンや低血糖を起こす可能性のある薬を使用している場合には、急に食事量を減らすことで低血糖につながることもあります。

血糖値を下げることだけを目的に、極端な食事制限をする必要はありません。

自分に合った食事は人によって違う

糖尿病の食事療法に「すべての人に同じ正解」があるわけではありません。

体格や年齢、活動量、糖尿病の治療内容だけでなく、腎臓病などほかの病気によっても適した食事は変わります。

また、長年続けてきた食生活を一度にすべて変えるのは簡単ではありません。

だからこそ、

「理想的な食事を完璧にする」よりも、「今の食生活から改善できるところを見つける」

という考え方が大切です。

必要に応じて、主治医や管理栄養士と相談しながら、自分に合った方法を考えていきましょう。

今日覚えてほしい3つのこと

① 糖尿病だからといって、すべての食品を厳しく禁止する必要はない

② 「何を食べたか」だけでなく、量や頻度、飲み物、食事全体を見る

③ 極端な食事制限より、無理なく長く続けられる方法を考える

糖尿病の食事療法は、

「食べたいものを我慢し続けるための食事」ではありません。

血糖値を考えながら、必要な栄養をとり、日々の食事を楽しみながら続けていくことが大切です。

最初から100点の食事を目指す必要はありません。

まずは、自分の食生活の中で一つだけ変えられそうなところを見つけてみましょう。