糖尿病では1日1万歩必要?歩数の目標をどう考えればいい?

糖尿病の運動について、

「健康のためには1日1万歩歩かないといけない?」
「5000歩くらいでは意味がない?」
「毎日1万歩なんて、とても無理」

と思っている方もいるかもしれません。

「1日1万歩」は分かりやすい数字ですが、すべての人が必ず1万歩を歩かなければならないわけではありません。

年齢、体力、仕事、持病などによって、普段歩いている歩数は大きく違います。

大切なのは、

「1万歩できたか」ではなく、「今より少し体を動かせるか」

と考えることです。

1万歩歩かないと運動の意味はない?

そんなことはありません。

運動の効果は、

「1万歩を超えた瞬間から突然現れる」

というものではありません。

普段あまり歩いていない方が、今までより少し多く歩くことにも意味があります。

たとえば、普段3000歩くらいの方にとっては、いきなり1万歩を目指すよりも、まず今より少し歩く機会を増やす方が現実的です。

最初から大きな目標を設定しなくても大丈夫です。

まず自分が何歩くらい歩いているか知ってみる

歩数を増やしたいと思ったら、最初に、

「普段、自分はどのくらい歩いているのだろう?」

と確認してみるのも一つの方法です。

スマートフォンや歩数計などで歩数を確認できる方は、何日か普段どおりに生活してみると、自分のおおよその歩数が分かります。

大切なのは、そこで、

「こんなに少なかった」

と落ち込まないことです。

その数字は自分を採点するためではなく、これからどうするかを考えるための出発点です。

今より少し増やすところから始めましょう

普段あまり歩いていない方が、突然、

「明日から毎日1万歩」

と決めると、疲れてしまったり、膝や足を痛めたりすることがあります。

まずは、

・買い物で少し多く歩く
・近い場所なら歩いてみる
・食後に少し歩く
・座っている時間を少し減らす

など、自分にできそうなことから始めてみましょう。

「あと何千歩歩かなければ」ではなく、「今日は少し多く動けた」

くらいの考え方でも構いません。

歩数だけが運動ではありません

歩数計の数字が少ないと、

「今日は運動できなかった」

と思うかもしれません。

しかし、身体活動は歩くことだけではありません。

たとえば、

・掃除をする
・庭仕事をする
・自転車に乗る
・筋力を保つ運動をする
・家の中で体を動かす

なども身体活動です。

特に自転車や筋力トレーニングなどは、歩数だけでは活動量が分かりません。

歩数は運動を知るための一つの目安であって、運動の成績表ではありません。

1万歩にこだわって無理をしない

「あと2000歩足りないから、夜遅くても歩こう」

と、数字を達成すること自体が目的になってしまうことがあります。

しかし、疲れているときや体調が悪いとき、悪天候のときまで無理に歩く必要はありません。

特に高齢の方や、膝・腰・足に問題がある方では、急に歩数を増やすと痛みや転倒につながることがあります。

歩数の目標より、安全に続けられることを優先しましょう。

毎日同じ歩数でなくても大丈夫

仕事の日と休日では、歩数が大きく違うことがあります。

「昨日は8000歩だったのに、今日は3000歩しか歩かなかった」

という日もあるでしょう。

毎日まったく同じ歩数にする必要はありません。

忙しい日、休む日、よく歩く日があって当然です。

1日ごとの数字だけで一喜一憂せず、普段どのくらい体を動かしているかを見るようにしましょう。

歩数を増やすより安全を優先した方がよい場合もあります

糖尿病の方では、運動方法に注意が必要な場合があります。

特に、

・足に傷や潰瘍がある
・歩くと胸が痛む、強く息切れする
・ふらつきや転倒の心配がある
・膝や腰などに強い痛みがある
・糖尿病の合併症が進んでいる

といった場合には、歩数を増やすことを優先せず、主治医に相談してください。

また、インスリンや低血糖を起こす可能性のある薬を使用している方では、長時間の運動による低血糖にも注意が必要です。

「今日は少し歩けた」で十分です

運動を始めると、

「目標を達成しなければ」

という気持ちになりやすいものです。

しかし、糖尿病の運動療法は競争ではありません。

1万歩歩いた人が成功で、3000歩だった人が失敗ということではありません。

昨日までほとんど歩かなかった方が、今日は少し外を歩いた。

それも大切な変化です。

「できなかったこと」より、「できたこと」に目を向けてみましょう。

歩数について覚えておきたい3つのポイント

① すべての人が毎日1万歩を歩かなければならないわけではありません

② まず現在の活動量を知り、今より少し体を動かすことから始めましょう

③ 歩数は便利な目安ですが、運動のすべてを表す数字ではありません

まとめ

「1日1万歩」は、運動を考えるきっかけになる分かりやすい数字です。

しかし、

「1万歩歩けなかったから意味がない」

と考える必要はありません。

普段3000歩の方と8000歩の方では、適切な目標も違います。

年齢や体力、持病によっても違います。

だからこそ、最初に目指したいのは、

「1万歩」ではなく、「今より少し動くこと」。

そして、それを無理なく続けることです。

歩数計の数字は、自分を評価する点数ではありません。

自分に合った「続けられる運動」を見つけるための目安として上手に利用していきましょう。